不動産経営者にとって大きな悩みの種となるのが退去時の原状回復です。
借り手を見つけるには、なるべくきれいな状態に原状回復する必要がありますが、
内装工事にはそれなりに費用がかかります。
いくらキレイに使っていても人が住めばあちこちがくたびれるのは当然です。
壁紙の張り替えなど大規模な補修となれば費用負担や工期を考えなくてはいけません。
効率よく原状回復を行うにはどうすればいいのでしょうか。
原状回復とは
原状回復とは、アパートなどの賃貸物件において入居者が立ち退いた後に部屋を元通りの入居前の状態に戻すことです。
法律では原状回復は物件の所有者側にあると定められています。
通常の生活で発生する汚れや劣化に関しては入居者に原状回復の費用を請求することは認められておらず
費用も所有者負担となります。
原状回復の重要性
原状回復は法律上の義務であるだけでなく不動産経営の面からも重要な意味を持ちます。
不動産物件の借り主は出来る限り状態の良い物件に住みたいと希望します。
適切な原状回復が行われた物件と原状回復がおざなりな物件を比べれば
きちんと原状回復された状態の良い物件のほうが入居希望者を集めやすくなります。
原状回復はたんに義務として発生するだけのコストではなく入居者確保につながる重要な投資です。
費用をケチればせっかくの物件の価値を損ねかねず投資効率も下がってしまいます。
コストパフォーマンスを考慮しながら最適な原状回復を行うことが不動産経営の安定化につながります。
原状回復サービスを活用する
賃貸物件の原状回復には原状回復サービスと呼ばれる総合メンテナンスサービスを活用するのが一般的です。
原状回復サービスはリフォーム工事の一種で賃貸物件のメンテナンスに特化しているのが特徴です。
賃貸で痛みやすい壁紙やクロスの張り替え、フローリングの補修、
電気や水道などライフラインのチェックなどを一手に引き受けてくれる便利で頼れるサービスです。
個別に内装業者に頼むのに比べると費用もずっと安く工期も短いのですぐに新しい借り手を探すことができます。
原状回復のコストを下げるには
原状回復で一番の問題になるのが費用の問題です。
なるべくきれいな状態にリフォームしたい気持ちは皆同じですが大々的に手を入れるとなるとコストがかさみます。
できるかぎりコストを抑えつつ入居者に満足してもらえるような状態に原状回復するにはどうすればいいのでしょうか。
交換よりも補修を優先
原状回復でコストを削減するなら交換よりも補修を優先しましょう。
入居期間にもよりますが、普通の生活をしていれば内装がそうそう痛むことはありません。
2年で退去した部屋の壁紙をその都度前面貼替えするのは費用がかかりすぎます。
補修で対応できるようならできる限り手直しし、
壁紙張替えなど全面的な交換は色落ちやくすみが目立ってきてからにしてください。
壁紙で気になるのが「穴」の問題です。
釘やピンであいた穴も専用の接着剤を使えば目立たないようキレイに補修できます。
壁紙によっては傷ついた部分のみを切り取って張り替える部分補修でも対応可能です。
まずは補修対応を優先しましょう。
相見積もり
複数の原状回復業者から見積を取る相見積もりなら費用相場も分かりますし、最安の業者も見つけられます。
必ず複数業者から見積もりをとって相見積もりで選びましょう。
重要なのは費用の安さだけを基準に業者を選ばないことです。
どんなに安くても肝心の原状回復がいい加減では無意味です。
価格とサービスの内容をきちんと検討して業者を選ぶのが成功の秘訣です。
素材選び
汚れに強い防汚素材や傷に強い耐久素材など汚れ、痛みに強い素材を使えば原状回復が容易になります。
特に汚れや痛みが目立ちやすい壁紙は高性能素材の効果がはっきりと表れます。
全面交換するなら長期的に効果が期待できる高機能素材の導入をオススメします。
原状回復はオーナーの義務であると同時に大きな課題です。
できるかぎりコストを抑えながら魅力的な部屋を実現するためにも
相見積もりなどを利用して上手に原状回復サービスを活用しましょう。