賃貸物件で退去をするときには、原状回復が基本的に必要です。自分で引越し前に清掃をしてから退去確認のチェックを受けるようにしますが、どこまでを原状回復とするのかの基準は明確には決まっていません。しかし、パッと見で故意で汚したり、キズを付けている場合は修繕費用の負担が生じますので注意が必要です。
キッチンは汚れやすいので原状回復を意識して使おう
特に毎日使うので汚れやすいキッチンの退去時の原状回復は、意外と汚れがたまっているので清掃しておく必要があります。通常の日常生活でキッチンは汚れたり使用感が出てきます。特にコンロ周りや換気口は油汚れや調理の飛び散りなどは多いです。しかしこのような程度なら、洗剤などを使えばすぐに落ちるのであまり問題にはなりません。といっても簡単にとれるので、自分でも掃除してから引き渡すと印象が良いでしょう。問題になるのはキッチン周りの壁の汚れです。調理の汚れが飛び散って、壁紙にしみついて取れなくなってしまうと厄介です。これもすぐに洗剤など利用して拭きとればとれることも多いのですが、時間が経過してしまうと染みついて取れなくなってしまうので、最悪の場合は壁紙を交換するので費用の負担が出てきます。また、落ちない汚れの範囲が広くなるほど、専門的な清掃でも対応できないので原状回復不可とされて、別途費用を請求されることになります。キッチンは油汚れが飛び散り、さらに水回りなので錆の問題も出てきます。ですから退去の際には原状回復にはある程度の手間がかかると思っておくと良いでしょう。
元通りにするにはどのようなことに気を配る?
汚れを落とす方法は汚れの種類によって異なりますので、できるだけ早くきれいにすることが基本です。間違った洗剤や清掃方法をしてしまうと、今度は清掃が原因で劣化をさせてしまう可能性もありますので要注意です。ただし、使っていて色があせてくるなどの経年劣化は原状回復の必要はありません。丁寧に使っていてもくすんできたりするのは当然です。正しい使い方をしていて、手入れもした場合、通常は原状回復を求められません。気になるなら入居時に写真を撮っておくなどしておくと、故意ではないと伝わりやすいです。最近はIHコンロが増えていますので、あまりダメージを受けにくいです。しかし五徳タイプだと錆や汚れのこびりつきがどうしても出てきます。しかし、大本の土台に影響がないようなら、部品は入居者の入れ替わりで交換することが多いです。つまり気にしなくてはならないのは、キッチンの中でも交換が自由にできない壁やコンロ本体、シンク台や水道などです。細かい部品は交換も簡単にできるので、退去の際の原状回復としては求められない、もしくは少額で済みます。
原状回復できていないと痛い出費になるかも
退去の際には入居時と同様の姿に戻すことが義務ですから、経年劣化以外は整え直してから引き渡しが基本です。原状回復が出来ていないとどのくらい費用が掛かるのかというと、例えばシステムキッチン丸ごと変えなくてはならないと100万円くらいする場合もでてきます。さらに壁紙の張り替えも同じ色と柄を探す手間もかかりますし、もし同デザインがないなら広い範囲の張り替えになってしまい高額になる可能性もあります。壁に穴を開けてしまえば数万円程度かかることもありますから、意外と負担が重くなりますので頭に入れておきましょう。しっかりと原状回復をしたうえで退去をするのがマナーですし、賃貸契約でも記されていますので同意したことになっています。故意ではなくても、自分では対処できないケースが発生したら、退去ではなくても早目に連絡を入れて相談すると費用を抑えることができるかもしれません。
退去することを考えたら、すぐに原状回復に取り掛かりましょう。そうすれば段取りよく、安心して退去できます。